売掛債権をサービス会社に買い取ってもらうことで資金を得ることができるファクタリングは、ヨーロッパやアメリカで高度経済成長を支えてきました。ただ日本では法整備がされているものの、まだ十分に理解されていない点も多くあります。そのことに加え、違法なファクタリングを行っている悪徳業者も存在しているため注意が必要です。そこでファクタリングの合法な場合と違法な場合について詳しくご紹介します。

ファクタリングは違法なのか合法なのか

ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、その対価として現金を手にすることができるサービスです。債権の譲渡は違法ではありませんし、売買契約が成立するのでこの点でも違法ではありません。つまりファクタリングという手段を使って現金を手に入れる手段自体は何ら問題がないといえます。

ファクタリングは届出の必要ない無登録業者

ファクタリングサービスを行っている業者が「違法なことをしているのでは?」と考えられがちなのは、ファクタリングには金融庁への届出が必要のない無登録業者であることが挙げられます。もちろんそれだけで違法とは言い切れません。ファクタリングは売掛債権の譲渡であるため、お金を融資するといった事業は行いません。そのため貸金業者ではなく貸金業法にも守られていないため、誤解を受けやすいのです。

ファクタリング業者が違法と誤解される理由

ファクタリング業者が逮捕されるといったニュースから、「ファクタリング業者は違法なことをしているのでは」と誤解されがちです。ではなぜ誤解されてしまうのかその理由を見ていきましょう。

手数料が高い

ファクタリングは金融会社のように融資を行っているわけではないのですが、売掛債権を買い取る手数料が高いために「法律違反をしているのでは」と誤解されがちです。実際には手数料が変わるのはファクタリングの手段によるもので、貸付の利息とは別物です。

買取と貸付をどちらも行っているため

ファクタリングサービスには、大きく分けて2つの方法があります。1つが2社間ファクタリングで、この場合は売掛債権を買い取って欲しい会社とファクタリングサービス会社の2つでのやり取りです。この場合は「売掛債権の売買」となるため手数料の年利に関係なく違法とはなりません。ただし手数料が他のサービス会社と比べて明らかに高い場合は利用する側にとっては不利な業者であるため利用はおすすめできません。さらにもう1つの方法である3社間ファクタリングは、売掛債権を買い取って欲しい会社とファクタリングサービス会社、そして売掛債権を出している会社の間で行われるものです。この場合、売掛債権を出している会社はファクタリングサービス会社にお金を振り込むことになるため、売掛債権は「担保」となります。そのためこの取引を行う場合には貸金業の登録をする必要があります。ただし優良な業者が存在する一方で、法律違反の取引をしている業者も存在するため「ファクタリングは違法」という誤解が生じているのが現実です。

違法なファクタリング業者を見抜くポイント

違法な取引を行っている業者を利用してしまわないためにも、利用する際に注意したいポイントを見ていきましょう。

契約書が存在しない・すぐに破棄をする

契約書を作成しない業者である時点で注意が必要です。また契約が終了するごとに破棄をする業者も問題です。

手数料が高い・安い

手数料が高い場合、売掛債権を担保にした貸付を行っている可能性があります。また逆に安さを売りにしている場合も注意が必要です。

実印を求められる場合

売掛債権を回収できなかった場合、ファクタリングサービス会社は債権譲渡通知発送する必要があります。ただしこれは債権を譲渡した側が発行するものとなっています。ただ先に実印だけを書類に押させてファクタリングサービス会社が勝手に通知を発行することがあり、これは「売掛債権を担保にした」と受けとめられ違法となる可能性が大です。

追加融資を勧められる

売掛債権を使った追加融資は「貸付」にあたります。また継続的な取引を勧める場合も問題ですので注意しましょう。